日曜朝の礼拝「忠実に生きる」

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忠実に生きる

日付
説教
望月信牧師
イエスは、弟子たちにも次のように言われた。「ある金持ちに一人の管理人がいた。この男が主人の財産を無駄使いしていると、告げ口をする者があった。そこで、主人は彼を呼びつけて言った。『お前について聞いていることがあるが、どうなのか。会計の報告を出しなさい。もう管理を任せておくわけにはいかない。』管理人は考えた。『どうしようか。主人はわたしから管理の仕事を取り上げようとしている。土を掘る力もないし、物乞いをするのも恥ずかしい。そうだ。こうしよう。管理の仕事をやめさせられても、自分を家に迎えてくれるような者たちを作ればいいのだ。』」(1~4節)ルカによる福音書 16章1節~9節

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 「ある金持ちに一人の管理人がいた」と言って始まるたとえです。その管理人は、主人の財産を無駄遣いしたことが主人に知られて、仕事を取り上げられようとしています。彼は、これからの生活のために、恩義を感じて自分を迎え入れてくれる人を作ることにします。どうせ放り出されますから、主人に借金のある人の証文を書き直させて、彼らに恩義を着せることにしました。油百バトスの借りがある者には五十バトスと書き直させ、小麦百コロスの借りがある者には八十コロスと書き直させます。

 油五十バトス、小麦八十コロス。これが絶妙で抜け目のない数字だったようです。一説によると、オリーブ油は品質が悪くなりやすく、また品質をごまかしやすいため、借りた場合、二倍にして返すことが普通だったそうです。すなわち、半分になるとは利息が免除されたということです。小麦の場合も、免除される二十コロスが利息分だったと思われます。どちらの場合も、主人に元本は返ってくる、借りていた人には利息が免除されて恩義を着せることができる。そういう数字なのだそうです。

 こうして、不正な管理人は財産を無駄づかいするだけでなく、最後の最後まで不正を働きます。ですから、決してほめられたものではありません。しかし、主人はこれを抜け目のないやり方、賢いふるまいだとほめています。そして、これは、主イエスがこの不正な管理人をほめておられるということです。いったいどういうことでしょうか。

 もちろん、主イエスが不正そのものを認めておられる、勧めておられるのではありません。10節以下に、「忠実」という言葉が繰り返し出てきます。ここで主イエスが抜け目のないやり方、賢いふるまいとおっしゃるのは、忠実だということです。彼は、主人に対しては不忠実でした。しかし、確かに忠実だった、自分の価値観、自分の確信することに忠実でした。お金が大切である。主人の財産を自分のものにして、お金こそが頼りになると思っていたのでしょう。せっぱ詰まっても、彼はお金の力で仲間を作ろうしました。お金は力である、それが彼の確信でした。

 この点で、主イエスは、この世の子らはたいへん抜け目なく、賢くふるまっているとおっしゃいます。それに対して、光の子ら、主イエスの弟子たちは、その賢さに欠ける、忠実さに欠けるのです。まことに神は生きて働いておられる。神が味方であるならば、何ものをも恐れる必要はない。そのように言って信仰を告白していながら、しかし、実のところ、お金の力に頼る生き方をしてしまっているのではないか。主イエスは、中途半端になってしまいがちな私たちに問いかけておられるのです。

 主イエスは、私たちに求めておられます。神がおられると信じて生きるならば、徹底して神に依り頼んで生きる生き方をしなさい。口でまことの神がおられると言いながら、それを自ら裏切る生き方をしているならば、いったい誰があなたがたのことを信頼するだろうか。そう問いかけて、私たちを励ましてくださっています。私たち信仰者は、自分の信じているものに自信をもって生きてよいのです。私たちは、私たちを愛して私たちに命を与え、私たちをその根底、土台から支えてくださるまことの神を信じて生きています。私たちを十字架の御業によってご自分のものとして贖い取ってくださったまことの神がおられると信じて、その神に望みを置いて生きているのです。そこに固く立って忠実であればよい。

 ああ、主なる御神、どうか聖霊を豊かに注いで、私たちの信仰を強め、励ましてください。神を心から信じる、強い確信に立たせてください。心から神を愛し、神と人に仕えて生きる者であらせてください。

 この世の価値観や考え方に惑わされることなく、神に依り頼む信仰の確信に固く立って、信仰の歩みを積み重ねて参りましょう。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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