日曜朝の礼拝「まだ席があります」

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まだ席があります

日付
説教
望月信牧師
食事を共にしていた客の一人は、これを聞いてイエスに、「神の国で食事をする人は、なんと幸いなことでしょう」と言った。そこで、イエスは言われた。「ある人が盛大な宴会を催そうとして、大勢の人を招き、宴会の時刻になったので、僕を送り、招いておいた人々に、『もう用意ができましたから、おいでください』と言わせた。すると皆、次々に断った。最初の人は、『畑を買ったので、見に行かねばなりません。どうか、失礼させてください』と言った。ほかの人は、『牛を二頭ずつ五組買ったので、それを調べに行くところです。どうか、失礼させてください』と言った。また別の人は、『妻を迎えたばかりなので、行くことができません』と言った。(15~20節)ルカによる福音書 14章15節~24節

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 「神の国の食卓に着くことはなんと幸いなことであろうか」。神の国はしばしば食事の席、とりわけ結婚の宴にたとえられます。結婚の宴とは花婿と花嫁が一つにされて共に歩み始めることを喜ぶときです。神の国においては神と人が出会い、一つに結ばれて生きるのであり、そこに大きな喜びがあります。人は孤独に生きるのではなく、人と共に生きるのであり、また神との交わりの中で神に支えられて生きるのです。神が備えてくださり、そこに招かれて集う。それはなんと幸いなことか。

 その言葉に答えて、主イエスは盛大な宴会のたとえを語られました。ある人が盛大な宴会を計画して大勢の人を招いたというたとえです。この主人の心は喜びにあふれていたでしょう。招くとはどういうことか。結婚式に際して皆さんを招いて一緒にお祝いすることを思い浮かべます。それは、真実には招かれる者以上に招く者の喜びのほうが大きいでしょう。わたしの喜びを一緒に喜んでくださいと言って、お招きするのです。ですから、このたとえから、第一に、そのような招く者の喜びを大切に聞き取りましょう。生けるまことの神は、私たちとの交わりを喜びとしてご自身のみもとへと私たちを招いてくださいます。聖書の神は、何か恐ろしい、私たちを裁いて滅ぼしてしまうお方ではありません。神は人を愛してこの天地を造り、そこに人を置いてくださいました。主なる神は、今も愛をもって私たちをご自身のみもとへと招いてくださっています。

 ですから、このたとえは第一には喜ばしいたとえです。しかし、第二にはたいへん悲しいたとえでもあります。招きが断られるからです。しもべが「おいでください」と伝えると、招かれていた人たちが次々と断り始めます。それぞれの理由はもっともなものかもしれませんが、いずれにせよ自分たちの都合を優先させました。ここに主イエスは人の罪を明らかにしておられます。罪とは神の招きを拒むことです。イスラエルの民は偶像礼拝に陥る歴史を歩み、それは宴会の招きを拒むに等しい、神の招きを拒むことでした。続いて「貧しい人、体の不自由な人、目の見えない人、足の不自由な人」が招かれます。さらに「通りや小道に出て行」って招かれますが、これは異邦人を指しています。これらの人々は、当時、神の招きから遠いと思われていた人たちです。こうして主イエスは神の招きがすべての人に及ぶことを明らかにして、しかし彼らが招かれてただちに出席したのではありません。しもべは「まだ席がある」と言ったのであり、空席は埋まりません。そのため「無理にでも人々を連れて来て」と言われます。すなわち、人は皆、神の招きを拒んでいるのです。ここに、神などいらないとする人の罪の姿が示されています。

 人はいったいどのようにして神の招きに応える者とされるのでしょうか。「無理にでも」とあることに注目しましょう。人は罪の奴隷であり、そこから立ち帰らせることには無理があるのです。しかし、その無理を越えて神ご自身が道を切り開いてくださいました。「無理にでも」。この実現のために、神であられるお方がへりくだって人となり、十字架につけられてくださいました。十字架と復活を成し遂げて、今や聖霊が遣わされ、神ご自身が「神にはできる」(ルカ18:27)ことへと変えてくださいました。ここに神の力があります。私たちは、ただこの神の力に信頼するほかありません。私たちは、この無理を可能に変える神の力によって主イエスを信じる者とされたのです。ですから、神の国の食卓に着く幸いを知る者とされたことを率直に喜びましょう。そして、ひとたび始められた神の御業は確かに成し遂げられ、私たちに働いた神の力は多くの人たちに同じように働きます。無理を可能に変える神ご自身が席を満たしてくださることを信じて、忠実に福音を宣べ伝えて参りましょう。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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