日曜朝の礼拝「その火が既に燃えていたら」

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その火が既に燃えていたら

日付
説教
望月信牧師
「わたしが来たのは、地上に火を投ずるためである。その火が既に燃えていたらと、どんなに願っていることか。しかし、わたしには受けねばならない洗礼がある。それが終わるまで、わたしはどんなに苦しむことだろう。(49,50節)ルカによる福音書 12章49節~53節

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 たいへん読みにくい箇所です。「地上に火を投ずる」「むしろ分裂だ」というような主イエスの言葉に出会うと、私たちは戸惑ってしまいます。

 「地上に火を投ずるため」に主イエスは来られた。それはわざわざ来られたのであり、私たちに火が必要だということでしょう。火はあらゆるものを焼き尽くします。ですから、火が盛んに燃えていたら、遠ざからなければならない。しかしまた、必要な火もあります。火は金や銀のような金属を練り清め、精錬するために用いられます。そのことを思いますと、二種類の火があるのです。一つは私たち自身が燃やす火です。私たちも実はやたらと火を燃やしている。すなわち、人と争い、周りを傷つけて、煙を燃え上がらせている。その火は、私たちの周りの物を傷つけて滅ぼし、共に生きる仲間たちを殺す火にほかならない。それに対して、もう一つの火があります。それは金属を精錬するように人を練り清める火です。それこそが主イエスがおっしゃる火です。その真実の火が既に燃えていたらと、わたしはどんなに願っていることか。主イエスがおっしゃることはそういうことでしょう。その火が既に燃えていたなら、自分は、この火を投ずるために来る必要はなかったのではないか。

 主イエス・キリストは私たちの中に火を投ぜられます。それは私たちを焼き尽くすのではない、金や銀を精錬するように私たちを練り清める火です。火によって混じりものを焼き尽くして取り除く。そのように、私たちの間に入り込んでいる罪、私たちの中に根を張ってしまっている罪という混じりもの、私たちの内に巣くう恐るべき罪を焼き尽くすのです。主イエスに結ばれるとは、この火を自分の内に投じていただくということです。私たちは主イエスの火をいただいてこそ練り清められます。

 そのために、主イエスは洗礼を受けてくださいました。「しかし、わたしには受けねばならない洗礼がある」。洗礼者ヨハネは、主イエスについて、「その方は、聖霊と火であなたたちに洗礼をお授けになる」(ルカ3:16)と言いました。主イエスは火を投じる。その投じられた火による洗礼です。その洗礼の火を私たちにもたらして、主イエスはおっしゃいます。「それが終わるまで、わたしはどんなに苦しむことだろう」。

 主イエスの洗礼は十字架と結びついています。私たちの身代わりとして十字架につけられて、主イエスはいわば焼き尽くされてくださったのです。本当は私たちが火によって焼き尽くされるべきでした。私たちが神の御前に罪を犯したのであり、自分勝手におのれの思うままを行って火を燃やしているのです。ですから、私たち自身が焼き尽くされなければならない。「しかし、わたしには受けねばならない洗礼がある。それが終わるまで、わたしはどんなに苦しむことだろう」とおっしゃって、主イエスが洗礼を受けて罪人の一人となられ、私たちの罪を背負って十字架の死を苦しみ、焼き尽くされてくださいました。そうして、私たちは火によって焼き尽くされることなく、逆に練り清められます。主イエス・キリストのものとされ、聖なる者とされます。こうして主イエスは、私たちの罪を取り除いて焼き尽くす火の厳しさと、その厳しさがご自身に向けられて成し遂げられることを私たちに教えてくださいました。

 私たちは洗礼によってこの主イエス・キリストに結ばれて、新しく生まれた者とされます。一度死んで新しく生かされるのです。すなわち、これまで大切にしてきたものを断ち切ってこそ開ける世界がある、ということです。ひとたび死に、そうして真実に生きる者とされることが始まります。主イエスは、そのような信仰者が生み出されることを待ち望んでおられます。私たちは、この主イエス・キリストの火をいただいて、主イエスのものとして練り清められていく信仰の歩みへと導かれるのです。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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