日曜朝の礼拝「罪の赦し~使徒信条33~」

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罪の赦し~使徒信条33~

日付
説教
望月信牧師
「そこで、主君はその家来を呼びつけて言った。『不届きな家来だ。お前が頼んだから、借金を全部帳消しにしてやったのだ。わたしがお前を憐れんでやったように、お前も自分の仲間を憐れんでやるべきではなかったか。』そして、主君は怒って、借金をすっかり返済するまでと、家来を牢役人に引き渡した。あなたがたの一人一人が、心から兄弟を赦さないなら、わたしの天の父もあなたがたに同じようになさるであろう。」(32~35節)マタイによる福音書 18章21節~35節

 「罪の赦し」は、使徒パウロが「わたしたちはこの御子において、その血によって贖われ、罪を赦されました」(エフェソ1:7)と語るとおり、主イエス・キリストの十字架の贖いの御業によって実現しました。その「罪の赦し」が、使徒信条の「聖徒の交わり」に続く位置に置かれています。これはとても興味深いことです。一つには、主イエス・キリストの十字架の御業はかつてゴルゴダの丘において成し遂げられた御業であり、聖霊によってその御業が今、私たちのものとなるからです。聖霊が私たちの内に働いて、キリストの十字架の贖いを私たち自身のものとしてくださいます。ですから、「われは聖霊を信ず」に続く位置に置かれます。

 もう一つには、聖霊が私たちを教会に召し集めて、聖なる交わりにあずからせ、そこで罪の赦しをいただく、という順序です。すなわち、罪赦されて聖くされたから教会に集められるのではありません。私たちは罪あるまま、ただ神の憐れみによって教会に召し集められ、聖徒の交わりとされています。そして、その教会において、罪の赦し、体のよみがえり、とこしえの命をいただくことが約束されている。「罪の赦し、身体のよみがえり、とこしえの生命」、この三つは、私たち教会に生きるキリスト者に与えられている具体的な神の恵みの代表例だと言えるでしょう。

 こうして、使徒信条は「罪の赦し」を教会の交わりに結びつけています。罪の赦しが交わりの中に加えられ、受け入れられることと一つのことだからです。罪の赦しとは、ただ口で「赦す」と言って実現するのではありません。共同体において互いに理解し合い、支え合い、共に生きることによって、罪の赦しは実現します。そのために、聖霊は教会を建て上げて聖徒の交わりとしてくださいました。こうして、使徒ペトロが「悔い改めなさい。めいめい、イエス・キリストの名によって洗礼を受け、罪を赦していただきなさい」(使徒2:38)と勧めたように、洗礼を受けて教会に加えられることは、神からの罪の赦しのしるし、また保証です。

 そして、「われらに罪を犯す者をわれらが赦すごとく、われらの罪をも赦したまえ」と祈るように、赦されることと赦すことは固く結びついて、一つのことです。主イエスは、七回どころか七の七十倍までも赦しなさいと教えられました。単に七の七十倍で490回ではありません。七の七十倍など数えていられないのであり、数えることなくどこまでも赦しなさいということです。それは、私たち自身、数え切れないほどの莫大な借金を赦していただいたようなものだからです。莫大な借金を赦していただきながら、友人の借金を赦さないというのであってはならない。「あなたがたの一人一人が、心から兄弟を赦さないなら、わたしの天の父もあなたがたに同じようになさるであろう」。そうおっしゃって、主イエスは、神によって罪赦されて恵みを受けた者は、互いに赦し合うべきあると教えられました。赦すことによって相手を生かすのであり、そこでこそ同時に、自分も赦されて生きることができるからです。

 最後に、罪の赦しとは感情ではなく、決断です。感情的に受け入れられないということがあるかもしれません。けれども、主なる神が私たちの罪を赦すと決断されたように、私たちも赦すことを決断するのです。また、罪を赦して、主なる神がもはや私たちの罪を問わないように、私たちも人を見るときに罪を見ず、罪を問いません。罪を見ることなく、分け隔てなく向かい合うことが私たちに求められています。分け隔てなくその人自身を見るときに、その人の真実の人となりを理解できて、感情的に受け入れられるようになるかもしれません。そうして、私たちの祈りは、真実に愛して赦すことができるようになることです。罪の赦しがあるところにこそ、私たち皆の赦されて生きる新しい人生があります。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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