日曜朝の礼拝「わたしもあなたを罪に定めない」

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わたしもあなたを罪に定めない

日付
説教
光後輝久神学生
しかし、彼らがしつこく問い続けるので、イエスは身を起こして言われた。「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい。」そしてまた、身をかがめて地面に書き続けられた。これを聞いた者は、年長者から始まって、一人また一人と、立ち去ってしまい、イエスひとりと、真ん中にいた女が残った。イエスは、身を起こして言われた。「婦人よ、あの人たちはどこにいるのか。だれもあなたを罪に定めなかったのか。」女が、「主よ、だれも」と言うと、イエスは言われた。「わたしもあなたを罪に定めない。行きなさい。これからは、もう罪を犯してはならない。」(7~11節)ヨハネによる福音書 7章53節~8章11節

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 この個所は、わたしが初めて聖書のみ言葉に触れたところです。中学2年生の時でした。「ルーテルアワー」というラジオ番組を聞いていますと、この個所の話でした。だんだんと引き込まれ、最後は感動に包まれた記憶があります。「ルーテルアワー」にはがきを出して聖書の通信教育を始めましたが、半年足らずでやめてしまいました。そして、キリスト教とはそれっきりとなるはずでした。でも、イエスはあの時から、わたしをとらえたまま離されなかったという恵みを、感謝しています。

 エルサレムの神殿で、集まって来た人たちに教え始められたところから、この話が始まります。3節で、そこへ、律法学者たちやファリサイ派の人々が、姦通の現場で捕らえられた女を連れてきて、真ん中に立たせとあります。モーセの律法では、姦通は石打による死刑です。この裁判は、姦通を裁くよりも、むしろイエスを罠にかけるために、この女性は連れてこられたのでした。イエスが石打ちを肯定すれば、愛を説く教師として、また、罪人の友としての人望は地に落ちるでしょう。石打ちを否定すれば、モーセの律法を軽んじたことになります。どちらを答えても、イエスが不利になるよう、巧妙に仕組まれた罠でした。

 しかし、イエスは何もお答えにならずに、かがみこんで、指で地面に何か書き始められました。沈黙の時が流れていました。彼らが、何度か問いかけた後、イエスが身を起こして、言われました。「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい」。そしてまた、身をかがめて地面に書き続けられました。また、沈黙の時が流れます。

 イエスは何を書かれていたのでしょうか。多くの人が色々と想像しています。しかし、何が書かれていたかは重要ではありません。この沈黙の時という、間が大切でした。彼らに、自分たちが罪人であるという自覚を与えるために、必要な時間でした。9節に、「これを聞いたものは、年長者から始まって、一人また一人と、立ち去ってしまい、イエスひとりと、真ん中の女が残った」と、あります。イエスの沈黙とイエスの言葉に圧倒されて、彼らは皆、自分たちは裁けるような人間ではなかったことに気づいたのです。ユダヤ人の社会は、年長者をとても大事にします。また、年長者たちも、それにこたえるだけの見識をもって行動しました。ですから、この場合も、年長者が立ち去れば、年長者が立ち去ったのだからと、皆、立ち去ることが出来ます。それで、年長者が先にいなくなったのでしょう。

 皆が立ち去った後には、イエスと女性だけが残されました。だれもいなくなりましたが、まだ裁判が終わったわけではありません。「罪を犯したことのない者が、この女に石を投げなさい」と、言ってみれば死刑に同意したイエスとこの女性は対峙したわけです。恐れの中にいた女性に、イエスが最後に「わたしもあなたを罪に定めない。行きなさい。これからは、もう罪を犯してはならない」とおっしゃいました。イエスは、この女性に、罪の赦しの宣言をされたわけです。主イエスを除いては、誰も責任のある赦しの出来る人はいません。

 イエスはわたしたち人間の罪を一身に背負って下さり、わたしたちの罪の贖いのために、十字架の死の苦しみを受けられました。この言葉は、この女性だけでなく、わたしたちにも向けられた言葉なのです。この女性にとって、このイエスの言葉は、慈愛に満ちた、まさに、神の言葉でした。「行きなさい。これからは、もう罪を犯してはならない」と言われ、生まれ変わったこの女性は、新しい人生を希望をもって歩み始めたことでしょう。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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